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LIP presents OPERA「アドリアーナ・ルクヴルール」 ~ 終わり良ければすべて良し・・・ [国内公演団体]

26605283月22日・新宿文化センター・第1幕1階下手後方→第2幕以降2階正面後方B席
いくつかの伸びやかな究極の名旋律が全編を彩る奇跡的な逸品。オペラ史的には「トスカ」と「蝶々夫人」の中間に位置し、ヴェリズモの範疇に組み入れられていますが、実在の名女優を巡る恋の駆け引きはフランスの大公家とゼクセンの伯爵が絡み合い、その優美さはえも言われません。公演は2日目にあたり、伯爵役、舞台監督役、大公役の男声陣優位に進みました。ことに最終幕は主役も調子を上げ、それ相応に見応えのある一幕となりました。ただし、演出には閉口。例えば、作品のクライマックスの発端となる毒塗りのすみれで倒れたヒロインの側で、彼女に密かに恋心を抱く舞台監督は見下ろすように突っ立ったまま。ここは、すぐさま駆け寄って容態を確かめるか、彼の気弱な性格を重視するならばどうしてよいかわからずにオロオロと動揺させるのが人情というもの。アリアの最中では舞台上の人物の「棒立ち演出」が目立ちました。伴奏は、贔屓作故に作品の魅力の一翼を支える陶酔感にあふれた旋律美を期待したいところですが、おそらく臨時編成の点を割り引いても彫りの浅い響きに終わりました。
 「渾身で盛り訴ふ一夜草」 昭成
アフターシアターは、公演関係者らと千駄ヶ谷の上海飲茶店「猪八戒」へ。
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