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アトリエ・デュ・シャン「タイース」[抜粋]&「連隊の娘」[抜粋] ~ 喜劇は悲劇より難し [国内公演団体]

regiment.jpg5月27日・ゆめりあホール・正面後方自由席
昨年は春期と秋期の共に日程重複のために見送った仏語物専門研究会の春期最終回へ後半演目に惹かれて参戦。日曜ソワレながら50人以上が参集の前で若手の研鑽成果が披露の前半は主役ペアのみの「タイース」を前座的に20分、後半は望外の老若に世代分離の8人の兵卒も登場の劇場で会った知人曰く「これなら全曲でもよい」との合唱付きでの「連隊」に75分との配分に依って4世紀のアレクサンドリアの娼婦譚から4曲を拝聴の後に10分間の休憩後はいよいよ18世紀のチロルの孤児譚に突入して号砲代わりの恒例の主要配役の代表的旋律を背景音楽に利用の仕掛時計の人形を連想させる能弁な主催者兼説明者兼指揮者からの紹介が先導の舞台横断での洒落た人物紹介に続く侯爵夫人役の露払い的独唱を経て軍曹との二重唱の外題役は仏語台詞も交えて前半は手探り的な緊張感の匍匐前進的ながら後半部の小太鼓の擬音部分から愉快感が全開の事実上の開戦に安堵の男声合唱を従えた登場歌も達者なアジリタを駆使しながら持ち歌然として難関を相応に突破の一方で主役ペアの愛の二重唱では旋律部はベルカントの波状音楽を再現の弧状感と後半部の弾力感、さらに青年役の見せ場では世評に名高い難所の故に得意の高音を響かせた標的痛打の成功には同慶ながら前半の叙情感と後半の快活感での対比に欠けた苦戦には今後の研鑽の蓄積による本格攻略を大いに期待しつつその延長線上での前半幕の大詰の別離場面では悲劇的な雰囲気の醸成も稀薄なまま後半幕に突進ながら導入曲を衣装替えに利用しつつ夫人役が自身で電子ピアノを演奏の練習場面はつつが無く通過の後には主役の懐旧場面での前半の悲哀感と後半の絶望から脱出の歓喜、再会の三重唱でのフランス的な小唄表現の軽妙さの欠如、青年役の第二難所は省略の迂回作戦によって当夜は残念ながら本作のブッファとは異質なパリ仕立ての洒落た雰囲気の醸成は不発と感受しつつも不思議と隊列の援護射撃と伴奏の後方支援に奮起の独唱陣の敢闘心と一体感が幕切れでの一定の充足感へ到達。軍曹役は鈍角的な声質ながら豊富な舞台経験の演技によって介添え的な役回りで代父と上官の任務を完遂、伴奏は時代物の悲劇での豪快な前半作とも好対照の仏語喜劇への軽快な音色と自然な速度感で好感。筋書と音楽での悲嘆と歓喜の反芻かつ複層構成で結末の"デウス・エクス・マルキーズ"に至る本作の魅力の創出には未到の消化不良感は抱きながらも一夜限りの制約に果敢に出撃の門下生の反復教練による楽曲との格闘を踏まえた本来の目的は研究発表ながらもその領域からの浮上を大いに期待しつつ劇場を後にしました。
アフターシアターは、手近に最寄駅前の「ノヴェル」で。
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