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フロイデ・シンフォニーオーケストラ「第34回定期演奏会」 ~ "エロイカ"節には若者がよく似合う [クラシック音楽]

freude.jpg10月14日・すみだトリフォニーホール・2階正面自由席
前日の19世紀後半のロンドンで流行の軽歌劇に続いて知人からの招請に呼応の同世紀前半のウィーンで転宅常習の"楽聖"のオケ物を並べた市民オケの定演に大川渡河の区立劇場へ参戦。最上階を封鎖措置での鶴翼型の上階には正面と両端の都合3台を設置の撮影機での記録態勢も万端にコントラバス6本に2管編成での序曲・協奏曲・交響曲との今日では演奏時間の観点から後期ロマン派以外の作品群では典型の曲順に従った泰西名曲として定番の両端曲の間にレア物と言える多重奏協奏曲を配置の作曲家を統一の趣向の中で英雄交響曲を連想の中間曲の初実聴を専らの目的に序曲の巻は市民演奏家には通例とも言える序奏では本番の緊張感から解放前の混沌的状態の一方で波乱万丈の展開を経た長調部では最終地が目前の安堵感に似た開放感が充満の王道的な演奏道程が凝縮の出来映えを示しつつ斬首描写は鋭角感には稀薄なものの以降は短調部との対比感も前面に総譜の縦線を意識の整頓の音楽が高らかに進行、続く協奏曲の巻は独唱に職業歌手を招聘の市民合唱団公演のように客演の独奏者3人は控え目な音合わせから既に豊富な舞台経験を想起の独奏とは思えない程の清楚感で伸びやかな旋律で傑作期劈頭の楽風の軽快な再現に触発とも思える技術や表現を超えた楽団員の青春の息吹が場内を駆け巡るようにも感受のペラゴロ人生で最初で最後と予測の本作の心地良い印象を抱きながら劇場を後にしました。
アフターシアターは、知人らへの返礼に「厳選洋食 さくらい」で。

東京藝術大学演奏藝術センターほか「ジャポニスム~外から見たニッポン」 ~ 意気消沈のサヴォイ・オペラ [国内公演団体]

bakumatsu1.jpg10月13日・奏楽堂・正面後方自由席
週末の暇つぶしとして月間での"東京大英国祭"との複層的に勝手に設定の3日前のサロン風演奏会と講演会を仕立てた資料展示会を初回に見立ての3回での「ジャポニスム旬間」の後半2回の初日は本邦唯一の国立芸術大学が音楽系を主体としつつも全学的行事として本年が2回目の春季と秋季で各2回での前年の太平の元禄時代から2世紀後の"上喜撰"に代表の動乱期に着目の「幕末~その時、世界は」との年間企画の第3回へ昨年と同様に2割5分引の2回券を利用の参戦。目測で約100人の聴衆を前に前半の講演の部は1時間の「パリ万博とエグゾティスム」との演題の下で本邦では安政期から日清戦争後まで、現地では第二帝政初頭期から第二共和政中葉期までのほぼ11年周期と言う19世紀の初回からの5回のパリ万博の変遷をB4判両面刷二ツ折の簡明かつ一覧的な配付資料に基づく多数の図版を投影の音楽分野の視点から平明な概説の講師を案内役に半世紀弱の毎回の都度に"花の都"へ時空移動の本企画の目論見どおりとも思える錯覚感も抱きつつ解説の主軸は"芸術の都"らしく英都の産業分野に加えて当初より芸術分野も確立の2回目からの「音楽展示」との概念から生演奏付き食堂や喫茶店、同時開催の音楽祭や海外から参加の種々の音楽団、果ては4回目には帝国主義的趣向の植民地の「住民展示」と関連の現地音楽や音楽劇の上演との音楽面に絡みながらも同様に将軍異母弟が代表で公式参加との2回目から御一新後の経費不足から楽師不在の楽器と楽譜のみ展示の3回目を経て太平洋時代の幕開け前夜の5回目にはオペラでのジャポニスムの頂点とも言える「蝶々」に直接関連の川上一座の民間参加に至る日本熱の進展を概観。舞台転換を兼ねた20分間の休憩を経た後半の音楽の部は空間対策の金屏風を舞台奥に配した75分間の「オペラ、オペレッタの中のニッポン」との表題の下で3作が選択されて冒頭曲には名刺代わり的な有名曲として前世紀初頭の「蝶々」の有名アリアは2年前の同会場でのペリ役以来の再聴の留学準備中と言う主催大の卒業生は当然に起伏の平板な表現ながら民間財団研修生に採用が証左の余裕感の声量で今後の研鑽に大いに期待、後続曲は対照的に前曲から30年前の珍品とも言える日本を題材の草創期作品と言うサン=サーンスのオペラ上演処女作の一幕物から中近東風にも聴こえる前奏に続く作曲家本人も認識との中国風の軽快な主部で構成の主役の登場独唱に由来の序曲と並べて敢えて選択と思しき高声男声が先導の趣向での邦語歌詞の4人での女声合唱の一節の2曲はむしろ古くはインド、近くはシナに包含の白色人種の極東認識に合致の「トゥーランドット」の先駆とも受容の後にはいよいよ真打として当日の目当ての1時間での「ミカド」抜粋はピアノ伴奏での通し番号のみでは全24曲から半数程度を選択の筋書展開の補足対策に外題役ながら後半幕の中盤から賑々しく登場の元来の配曲も少数の父帝には語り役での俳優起用と独唱陣にも若干の台詞を割当の対応措置の一方で「序曲」との表示ながら僅かに初聴きの邦人によっては異様感も先行と思える本作唯一の日本旋律の導入部のみが演奏の結果として本作の名旋律を接続曲風に繰り出しの後続部の省略、15分の所要時間が上演時間への大きな制約とは理解しつつも幕間前の頂点を形成のオペラという舞台作品の劇作上の醍醐味と共に風刺物に共通的なオペラという音楽分野の劇的な緊張感を殊更に際立たせて大詰感自体を揶揄の滑稽感との二重の演奏効果を形成の終曲の全面割愛など本作の音楽的魅力の再現よりも粗筋追跡を重視の構成にむしろ本企画の趣旨に適合と理解しつつも喜劇には舞台経験が肝要の要諦は重々に承知ながら無料パンフに依れば学部生を主軸に各声域で3人程の合唱陣を前に独唱陣では稽古時間の制約の故なのか総じて子音が不明瞭な英語歌唱と同種分野では生命線とも言える溌剌さが欠乏の弾けない生真面目な研究発表然の進行に想定外の倦怠感ながら本作の第1ブッフォとも言うべき死刑執行相役に最も注視しつつオケ伴奏よりはピアノ音楽を重視の明快ながら同様に軽快には未到の情感が稀薄な伴奏が相俟って浮き立つような最終曲も高揚感は全く欠如のままに終演。不発の大詰を脳内補正で反芻しつつ音楽に軸足ながら共に大学を構成の美術学部との連携、音楽学部内での邦楽と洋楽の両部門の単独または協同での演奏機会の企画継続への期待と次年の設定年代への興味を抱きながら黄昏時を最寄駅まで向かえば右手に新装の美術館の煌々の照明、噴水の両側に対峙的に新築の喫茶店と軽食店の出現に恩賜公園にアメリカニズムまたはフリーメイソニズムを認容の衝撃を受けつつ劇場を後にしました。
アフターシアターは、今楽季初の「厳選洋食 さくらい」で。

サントリーホール「音楽のある展覧会」 ~ 世界に誇るドイツ民族の記録文化 [クラシック音楽]

wien.jpg10月10日・サントリーホール・小ホール自由席
平日休暇の暇つぶしとして当月に予定の東京藝術大学の企画物2回と合わせた「ジャポニスム旬間」の初回の概説と勝手に位置付けの1週間の会期での有料制とは言えA5判4折無線綴じのうち1折は色刷との望外に豪華な展示品解説の小冊子では「ウィーンに残る、日本とヨーロッパ450年の足跡」との表題の主催劇場が提携して四半世紀と言う楽都の楽友協会の創立200周年記念との慶事も付された同協会の所蔵品の展示会期から会場劇場が付置のオペラ研修所の講師を担当のソプラノ歌手が登壇と予告の無料整理券制での短尺独唱会の期日を選んで前々日の演劇催事に同道の元文学少女の知人を勧誘の参戦。開場の30分前より会場付近で待機と待ち合わせの後に30分間での追加公演と午前の本公演、監修者講演の都合3回の催事参加とその合間での展示品見学での準備万端の予定で臨めば通常仕様の舞台側下手にピアノを設置の演奏・講演会場を囲むように通路の両側の壁面と陳列ケースを見学しながらすれ違える程度の広さで会場の四方に沿うように設営の回廊式とも言える展示室には無料パンフでは142点の展示品は前年の「熱狂音楽祭」のブラームス展で拝見の大作の日本画1点を除いて当然に独墺圏に偏重ながら歴代の文庫員が収集の音楽的観点から選択の協会所蔵の資料が30余点から十指以下での相違はあるものの活版文字、銅版画、錦絵、写真、絵葉書、楽譜へと媒体自体の変遷も証言の偶然にもオペラ史とほぼ一致の4世紀を時代順に10区分に大別しつつ古くは欧州人から見た文物としての邦楽の描写や17世紀欧州での極東列島での迫害の受難劇の流布、開国以降は楽都と日本との多面的な音楽的紐帯を再認識の種々の史実の繰り出しに改めて古典音楽面での国交樹立当初から連綿の日墺関係の特殊性をやや大袈裟ながら驚嘆しながら入場と同時に「の森音楽祭」や「熱狂音楽祭」でも未体験と記憶のペラゴロ人生で最も早く開始の当日の初回と午前の部の演奏会では一部の曲目を換えて両回共に万葉集や和歌の独訳曲を中心に専ら展示楽譜の実音化の5曲に戦前期の楽都への時間旅行の感慨も抱きつつ拝聴。午後の収集・収蔵の責任者からの講演会には50人程度が参集の大革命戦争中の名称どおりに演奏会の企画団体として演奏会場も建設の設立当初のパガニーニやリストの登壇話を交えた紹介に20分を費消の後はシューマン夫妻との関係を始めに2回の招聘計画が霧消のメンデルスゾーンを含めて演奏家としてのブラームスやワーグナー、聴衆としてのシベリウス、ミュンヘンのシュトラウス、ベルクなどの逸話に30分余を経て最後にはドビュッシーやラヴェルの演奏余話を含めた明治期の日本との関係や現在の名門オケとの蜜月状況を10分間で説明の異邦人にも関心を抱き易い視点から200年史を能弁な両手が印象的な話術で概観。午後の部への後ろ髪も引かれつつ正午前後の4時間で楽都で秘蔵の貴重資料の出張展示に望外の眼福感を抱きつつ近世期からの出発ながら日欧音楽交流史での正倉院的な存在とも思える彼の地の文書庫の役割と民族の気風を再確認しながら会場を後にしました。
アフターシアターは、夕刻の所用への待機に四ツ谷駅上の「PAUL アトレ四谷店」で。

新国立劇場「演劇講座 リチャード三世の魅力」 ~ 役者の登場で講座が消滅 [その他音楽以外]

monthly.jpg10月8日・新国立劇場・中劇場正面後方自由席
無風予定の三連休の暇つぶしとして最終日に飛び込み的に1週間前のオペラ部門での同種行事に続いて往年の文学少女の知人からの勧誘に応じた"体育の日"に相応しくも減退が着実に進行の前頭葉の異種格闘での俄鍛錬との目論見も兼ねて主催劇場が2カ月前から傍目には唐突的に開始とも受容の英国祭の一翼を担う当月興行の演目解説を兼ねた「マンスリープロジェクト」と命名の演劇部門での無料申込制の月例行事へ参戦。開場時刻を予定から15分遅延の本公演を終演後の熱気が残存の会場に参集の聴講客に入り混じって借りて来た猫状態でのやや緊張感を抱きつつ先代演劇監督の開始早々での世論調査では3年前に上演の第1四部作の先行三連作に続いて本公演に多数が参観済みとのやや婦人上位の老若男女の演劇または沙翁の愛好家の御常連を前に本邦史上2人目と聞く個人全訳を達成の翻訳家を迎える形式での前半の30分間は概説的に邦訳家が急遽に用意と言う自筆のA4判ペラでの歴史劇の第1四部作の表題王2人を各々に中心に据えた家系図を資料にマクベス王と双璧との悪党主人公の魅力と作品の特質を提示。続いて小屋主側の要請を承諾なのか前日の公演後の「シアター・トーク」に続く連投の外題役が終演後の休息を経て登壇の後半の1時間は男優の個性表出と成り行き任せとも思える進行準備が露呈の演出家との質疑応答と翻訳家からの気遣いが客席に伝播の時間の密度が急速に稀薄化の前日企画からの続編感が濃厚な空気にやや倦怠感も覚えつつ退場後の下り階段の踊り場に展示の英国人演出家で上演の「ファル」の舞台模型を覗き込んで心身の消化不良感を整えて9日後の同道の知人からの余り券を利用の本公演への心構えを確認しながら劇場を後にしました。
アフターシアターは、臨席の知人と手近に「エクセルシオールカフェ 東京オペラシティ店」で。

9月の予定 ~ 新シーズン!スカラ月間! [国内公演団体]

9月は前半に4年ぶりのスカラ劇場の来日引越公演、後半は昨年に続くゼッダ翁のオケ物と大きく二分されました。また、全曲公演が前半に集中し、その中から5作8回を予定できたため、ペラゴロにはうれしい悲鳴月ともなります。まず、スカラ劇場は今回は2演目と特別演奏会のみですが、2週間の公演期間の後は10日間にわたり、都市ごとに主催者を変えながら東京と大阪で演奏会形式での別の1演目と"ヴェルディガラ"を、さらに名古屋で合唱主体の特別演奏会を上演のようです。ヴェルディ記念年らしい三都巡行となります。後半は、民間新聞社から「アイーダ」決戦を挑まれた公共放送局の高額公開収録には目もくれず、ゼッダ翁の一連の東フィル定期に通います。今年は新たに名曲企画が追加となり、米寿に迫る指揮者の無事の来日を祈るばかりです。さらに、スカラ劇場に同行の"歌姫"のリサイタルは残念ながら本人意向で"予告倒れ"となりましたが、藤原歌劇団が招聘の"女王"は上旬の「椿姫」から下旬のリサイタルへと、当月の陰の主役のような日程となっています。幻となったヴェローナ劇場の皆さんは別にしても、スカラ劇場の皆さん、ゼッダ翁、デヴィーア女史が同時期に滞日しながら各々に音楽活動を繰り広げますが、どこか複雑な心境を抱きつつ1カ月を楽しみます。予定は9月3日現在。(画像は想定の範囲内とはいえ唐突に宣伝されて忽然と中止に至った主催新聞社らしく会場を野球場に移した劇場開設100周年も兼ねた野外劇場の来日引越公演のチラシ)
verona.jpg 3日「ポッペアの戴冠」アントネッロ
   短縮版も受容の古楽楽団で本格伴奏のモンテヴェルディ第一弾
 5日「椿姫」藤原歌劇団
   本邦4度目のヴィオレッタに主催団体への声援含みの初台登城
 6日「ファルスタッフ」スカラ劇場
   初役と言うクイックリーに最関心との酔狂な目的での初回目
 8日「椿姫」藤原歌劇団
   ドニゼッティ物を熱望しつつも集客優先の選曲は承知の再登城
11日「リゴレット」スカラ劇場
   老練外題役の予定通りの出演を期待しつつ最終機会も想定内
12日「ファルスタッフ」スカラ劇場
   性懲りも無く無謀の平日マチネにも触手の高密度重唱に期待
14日「ファルスタッフ」スカラ劇場
   物好きとは自覚しつつも"ファルマニア"を自嘲の馴染み参戦
15日「ワルキューレ」神奈川県民ホール
   記念年で本邦最大規模の公演の楽日組へ残暑下の多摩川渡河
16日「第57回 午後のコンサート」東京フィルハーモニー交響楽団
   序曲でも十八番を並べられたら矢も楯もたまらずに入門企画へ
 〃 「ワルキューレ 第1幕[演奏会形式]」日本ワーグナー協会
   市民オケの故の名匠への私淑の熱演と名古屋に続く女声に関心
18日「通し狂言 伊賀越道中双六 第一部」国立劇場
   竹本義太夫300回忌との古典芸能界での記念年に追善参戦
 〃 「通し狂言 伊賀越道中双六 第二部」国立劇場
   通し興行を文字通りに昼夜通しで通う体力の通用力を神頼み
19日「第81回 東京オペラシティ定期シリーズ」東京フィルハーモニー交響楽団
   前年に続く老匠の2幅に今年はコンマス親子との3世代共演も   
20日「第837回 サントリー定期シリーズ」東京フィルハーモニー交響楽団
   前夜と同曲ながらも水彩紙を換えた名手の筆致は微妙に変化か
22日「第838回 オーチャード定期演奏会」東京フィルハーモニー交響楽団
   "音の風景画家"の写生旅行は長靴半島から英国本島に北上へ
25日「マリエッラ・デヴィーア ソプラノ・リサイタル」東京プロムジカ
   劇場三昧の当月は漸くベルカントの名歌手の模範歌唱で耳納め

新国立劇場「ピーター・グライムズ」 ~ とぐろを巻く群衆の圧巻 [新国立劇場]

peter.jpg10月5日・新国立劇場・4階正面C席
4日前の主催劇場が今楽季の開幕日の前夜催事として作曲家の母国の在外文化機関との共催で挙行の解説行事に続いて先代監督の20世紀枠を承継の監督自由枠での英国音楽に造詣と定評の当代の面目躍如とも言える20世紀物の平日ソワレの2日目へ参戦。前世紀を代表のオペラ大家の貸し公演を除く本劇場での作品上演は本公演は初登場ながら2001年の小劇場での映像を大胆に利用の現在は廃止の憂き目の若手を起用の実験的企画、06年度末の中劇場での付置研修所が招聘の英国人演出家が絵本のように上梓の修了公演に続く結果的には扱いと成果は会場規模に比例とも思える着実に右肩上がりの慶事と認識しつつ後期ロマン派を以て受容停止の門外漢には「カヴァパリ」から進化の社会劇オペラへの新劇鑑賞にも似た気分で臨んだ当夜の望外の聴き物は現代物らしく本作で殊にオケ好き諸氏には贅沢な御負け的な魅力と拝察の6点の間奏曲での名称にも由来の伴奏楽団の元来の成り立ちを想起の管弦楽に象徴のピットの冴えた音響、ロッシーニ以降の群衆が主要配役の一人に昇華の作品群の頂点とも思える作品として村民が登場の場面での独唱と合唱の併存にミュージカルにも通じるイタオペ流儀のコンチェルタートの構築美とは異なる劇的展開の立体感と共に演出の幕切れが「コジ」では喧嘩破局または交換成立との変容にも共通の当世風の脚色とも思いながら振り返れば先代監督期からの借物公演に眼福の外れ無しとの感慨に国際慣習は不案内ながら共同制作方式を採らない全くの借用舞台も当劇場初御目見えならば新制作との看板付けの劇場慣行とは言え今回は開幕興行に相応しく演出家が直々に滞日指導との手法に殊に先代以降に顕著との一入場者の経験則ながら半可や大家の外国人と邦人とを問わずに少数の例外は認めつつもやや背伸びまたは身内感覚などに根差した新規発注よりは既に定評を獲得済みの舞台を借用の方式との完成度の落差の実感に基づく新制作経費の方向転換の有意性をさらに強固に再確認の副産物も生じつつ3年前の「ムツェンスク」と類似の満腹感を抱きながら劇場を後にしました。
  「村ぢゆうを洗ひ清めて野分あと」 昭成
アフターシアターは、国道を挟んだ劇場向かいの「オステリア スミヴィノ」で。

ブリティシュ・カウンシル+新国立劇場「ベンジャミン・ブリテンの世界」 ~ 生誕100周年への小さなのろし [その他オペラ関連]

britten.jpg10月1日・新国立劇場・大劇場ロビー自由席
年度の下半期初日に偶然にも御雇英国人に師事の後に英都へ留学の戦前期を代表の邦人建築家が晩年に腐心と聞く中央停車場の"復原"との売り出し文句の改装開業に始まる当月は上旬から幕開けの本劇場で俄に喧伝の所管3分野を統合の販促活動に加えて上野が会場の中旬には国立歌劇場とは所轄官庁が共通の同族と言える芸術大学が主催のサヴォイ・オペラの抜粋公演と共に下旬では本会場の劇場体質を公然批判の興行主が粘り強く出演交渉と仄聞の大歌手の国内引退演目へと続く彼の地で開催の夏季五輪から2カ月遅れの仮想の"東京大英国祭"への本行事の「オープニング・トークセッション」との振れ込みも加勢での景気付けとして無料申込制の新楽季開幕興行の事前解説行事へ参戦。A4判二ツ折見開き色刷4頁の特製小型チラシも準備の「開場15周年」「英国舞台芸術フェスティヴァル」との白地に墨色の質素ながら賑々しく掲揚の看板の下で同種行事では同じ特設会場でのイタオペ派には関心が異常域にも映じた「トリイゾ」に次いで一瞥的目測で約200人の参集に本公演では昨楽季のチェコ語に続く英語演目かつ洋物では4年前のドイツ物以来の2度目の戦後作品への関心、世界屈指の在外文化発信団体との提携、初日前日の平日ソワレでの時間設定が奏功とも思える集客状況にやや驚愕しつつ末席に着座での暫時の待機。前半の45分間は現地の作曲家財団の幹部と言う解説者の説明に充てられて事前に準備の読み上げ原稿を通訳が邦訳の形式での"人と作品"とも言うべき生い立ち、英国初の国際的成功オペラと位置付けの「ピタグラ」の原作を入手の米国旅行とその10年後のアジア旅行に言及の後は閑暇休題的な次年の生誕100周年に向けた特設サイトと「ピタグラ」の設定地でもある作曲家が臨終まで居住の港町の紹介、休憩後の35分間では発問者役の解説者の下手側に身振りと抑揚の大きな演出家に対して通訳女史を挟んで上手端の指揮者はうつむき加減の低声で木訥に応対の好対照を見せて「ピタグラ」の魅力の要因と演劇的側面についての各自の見解を表明。小劇場での「ねじ」、中劇場での「ベニス」「ハンス」に続いて大劇場での「ピタグラ」へと振り返れば期せずして実聴体験を蓄積の前世紀を代表のオペラ大家の五指に満たないながらも作品の多様性を再認識しつつ予習も未着手での4日後の第4作への好奇心を膨らませながら劇場を後にしました。
アフターシアターは、新宿に戻って「珈穂音」で。

8月の予定 ~ 葉月に天佑のオペラ連戦 [その他オペラ関連]

8月は例年では前月に上演していた全曲物が初旬の週末にずれ込む日程で連続します。1日目は本格舞台の「ホフマン」です。国内最大の歌手集団が3カ年計画の13公演で取り組んでいる60周年事業のいよいよ12番目となりました。本公演としては3年前の「劫罰」に続くフランス物の登場となります。2日目はピアノ伴奏の演奏会形式での「異国」です。市井の声楽教室が10年をかけてベッリーニの全作上演を敢行の3年目には本邦初演と推測の4作目が採り上げられました。その後には、旧盆期を挟んで生誕記念年らしくワーグナー物が並びます。どちらも夏の催事的な色合いの濃い形式で、前半は通常のオケ公演の範囲内で扱える定番の「ワルキューレ」第1幕、後半には若手らを糾合の「パルジファル」となります。前者は音楽祭へのマリインスキー劇場の客演的な公演となり、今年のオケ定演で乱立気味の同曲競演の中で異彩を放っています。ワグネリアン諸兄の中にはこの一幕上演の全公演制覇を目論んでいる強者もいることでしょう。一方、後者は市民オケと市民合唱団が主催の地元芸術祭への協賛的な公演として、両団員のみなさんの大作への意気込みが伝わってくるようです。と同時に、日本のオペラ演奏の裾野の広がりと実力の高まりには驚くばかりです。楽季の境目を便宜的に旧盆期に設定していますが、この夏はワーグナーに終わってワーグナーに始まる世紀に一度の巡り合わせを楽しみつつ残暑を乗り越えることになります。予定は7月31日現在。(画像は器楽主体の夏期講習会&音楽祭でも注目の記念年の恩恵とも言えるペラゴロの好事家には垂涎の作品が並びながらも断続的な日程で投宿意欲も減退の故に敬遠決断の避暑地音楽祭のチラシ)
kusatsu.jpg 3日「ホフマン物語」二期会
   昨年の若手2本立てに続く仏語物の人海戦術での三題噺に登城
 4日「異国の女」南條年章オペラ研究室
   昨年以上の世界的レア演目への一門を挙げての挑戦の一夜を応援
 6日「第34回霧島音楽祭2013 東京公演」鹿児島県など
   本年ならではの異例演目での14年ぶりとの首都出張につい反応
25日「パルジファル」ワーグナープロジェクト名古屋など
   昨年公演の余勢を駆って日帰りの中京遠征を厭わずに若手らを声援

日活「あした来る人」 ~ 恋愛非成就の群像劇 [その他音楽以外]

ashita.jpg9月27日・ラピュタ阿佐ヶ谷・正面後方自由席
平日休暇の暇つぶしとして「昭和の銀幕に輝くヒロイン」との連続企画の66人目として8本の出演作を週替わりに上映の3作目に登場の45歳で病没の映画監督の作品数的には折り返し点の第26作に最寄駅から商店街の路地を抜けて樹木に囲まれた独特の外観と雰囲気の昭和時代を専門の映画館へ漸くに初訪の参戦。朝一番の開場時刻には御常連らしき高齢者を中心に約10人が待機の約50席に20人程度の客入りとなって講和条約調印から4年後の1955年に本編前に付加の「制作再開1周年記念作品」との表示を反映の戦後の銀幕界で活躍の名優を配置の戦後の文豪が前年に執筆との新聞連載小説を脚本化の2時間の文芸大作として原作は不案内ながら生物学者の登場が発端の実業家の父と娘、交情を越えた旦那と愛妾との従前関係は別に置いても、愛情離反の夫妻、恋愛未成立の男女2組の関係の生成と崩壊の展開は一老四若の構図で白組は進化論に一石との生物学研究に一心不乱の学者の文化部と当時の世界初登頂から間もない高峰に挑戦のサラリーマンの運動部、紅組は感情を爆発の外向的な令嬢と周囲に配慮の内向的な愛妾との対照性を強調の登山仲間の名脇役で固めた賑やかし連を含めて観衆は登場人物の過去にも遡って主役陣の何れかに自己投影または親近感とも推察の群像劇に列車移動での車窓風景や富士山の書割、鴨川の対岸の夜景や京阪電車の模型に往事の映画事情を確認の一方で場面の切換直前の表情付けや余韻の他に毎作の趣向に関心の本作の巻頭場面では9階建ビルの屋上から垂直撮影での路上の革靴の大写しへの変化にも監督の個性を感受。保守思想の論客でも高名な戦後を代表の一角の作曲家が音楽を担当ながら監督自身の選曲とも思えるワーグナーの結婚行進曲を挿入の主題曲の皮肉、ホテルで歓談場面での「芸術家の生活」や植物園での「カルメン」の転用間奏曲などの設定に適合の選曲の他に裏小路まで熟知とも拝察の銀座の路地や夜景の挿入、学者役の出身地を筋書上の研究出張先への利用や飲酒場面での監督自身の郷土を代表の銘柄などの機知が微笑ましくも実業家の娘世代への独白で完結の全編を見終われば結局はその老妻の断捨離生活が却って人生を達観の明治女の気骨に映じつつ次作上映に待機の熟年諸氏の劇場生活を半ば憧憬しながら劇場を後にしました。
アフターシアターは、最寄駅までの途中で昭和時代らしい「富士ランチ」で。

フィリアホール+東急電鉄「オペラ作曲家シューベルト!-シューベルトの新たなプロフィール」 ~ 闇の中の作曲家の藪の中のオペラ [その他オペラ関連]

schubert-opera.jpg9月23日・フィリアホール・リハーサル室自由席
週末の暇つぶしとして国営放送局オケの木管奏者が指揮の翌週に迫った演奏会での演目に関連の有料事前講座の第1回として音大教員を講師に迎えてロッシーニが席巻当時の楽都の市井で音楽活動の歌曲王のオペラ作家としての側面に焦点との演題への好奇心の一点で隣県遠征も厭わずに付属施設ながら初訪の郊外の小劇場へ参戦。練習室の40席に8割程度の参会者を前に5分間での口髭に個性の主催者挨拶に続いて1時間弱の作風概説では量的にはヘンデル以降で最多との未完成込み19作の作品一覧、作品の題材分類と種別、交響曲と対比の時期区分での鳥瞰の後に10分間の休憩を経て1時間弱の音楽解説では録音で9曲の序曲の部分試聴に続いて録画・録音での3作からの声楽曲の部分視聴で構成。完成は13作、全作が独語、ほぼ半数がジングシュピール、楽都で流行の「魔笛」と同種の五指程度に魔法が登場の救出劇または複数が異国趣味との概観での夭逝の天才が遺した舞台音楽の全貌は勿論に同時代の作曲家との関係、歌芝居が英国オペラから派生との系譜などの望外の関連知識の他にA4判12頁中綴じの配布資料に掲載の全作品概要、完成作のほぼ全作の序曲解説、8作を網羅の登場人物と粗筋に加えて別刷のB4判ペラでの1825年と翌年の楽都での音楽劇の上演記録では当時の聴衆の嗜好を演目名で概観。ほぼ19世紀第1四半期に全生涯の作曲家の少なくともオペラでは完成の領域には未到の青春譜で脳内を充満しつつ駅ビル内の劇場を後にしました。
アフターシアターは、休憩場所を途中下車駅に求めて「茶の葉 たまプラーザテラス店」で。
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